ECサイトのランディングページや商品ページに動画を設置して、商品の魅力をアピールしようと考えているのではないでしょうか。
基本的にECサイトを見ているユーザーは、「動画を見る」あるいは「動画を見られる」環境にないことが多く、全員が見るコンテンツではありませんが、それでも動画にしかない「臨場感」や「疑似体験」を演出できるので、売上を伸ばすためのマーケティング施策の一つと言えます。
本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、ECサイトでの動画の活用方法について解説します。
ECサイトで動画を活用した3つの大手事例
それでは、まず動画を使った3つの大手の事例から紹介します。
事例① LPのメインビジュアルに動画を活用
下記は、アップルパイ専門店「RINGO」のLP(ランディングページ)ですが、ページのメインビジュアルを動画にしており、再生すると魅力的なアップルパイの製造工程が流れます。
動画によってインパクトのあるファーストビューになっていることと、食品が持つシズル感(みずみずしさ)が十分に伝わる作りになっております。
◆メインビジュアルを動画にした例
事例② ECサイトの商品ページに動画を掲載
ビックカメラの事例では、商品ページに写真やテキストとあわせて動画も掲載して、商品のより具体的な魅力を伝えております。また、使用方法や組み立て方法など、静止画では分かりづらい商品については、動画を利用すると格段に分かりやすくなるため、おすすめです。
◆商品ページに動画を掲載した例
参考:ビックカメラ.com
事例③ YouTubeの自社チャンネルで動画を公開
YouTubeで自社のチャンネルを開設することも効果的なマーケティング施策です。IKEAでは、YouTubeチャンネルで商品の組み立て方をはじめ、「家具を壁に固定する方法」「小さいスペースでの暮らし方」などのお役立ち動画も公開しております。
◆企業のYouTubeチャンネルの例
ECサイトで動画を利用する5つの方法
それでは、ECサイトで動画を利用する5つの方法を順に解説します。
方法① LP(ランディングページ)に動画を設置して、商品の魅力を伝える
LPに動画を設置することで、動画をクリックしたユーザーには、テキスト情報では分かりにくい情報も、臨場感を持って伝えることができます。しかし、クリックしなかったユーザーには動画で魅力を伝えることができません。
スマートフォンユーザーは、以下の理由から外出先などで動画をクリックするのに抵抗があります。
◆スマートフォンユーザーが動画の再生をためらう3つの理由
② 音が出る
③ 見終わるのに何分かかるか分からない
しかし、これらは以下の対策をすることで、クリック率を伸ばすことができます。
◆スマートフォンユーザーの動画クリック率を改善させるための対策
② 字幕をつける
③ 動画のサムネイル等に「●分」と時間を表記
このような対策をすることで、スマートフォンユーザーでも動画再生されやすくなります。ただし①の低画質については、アパレルや化粧品などブランドの世界観をアピールするのには向いておりませんので、商品やブランドの特色を含めて総合的に考えてみましょう。
方法② トップページに動画を設置して、ブランドストーリーや世界観を演出する
DtoCにおいては、既存の商品との差別化を図るためには、ブランドストーリーや世界観が非常に重要になってきます。そこで、トップページに訪れたユーザーに対して、動画によってブランドストーリーや世界観を演出します。
例えば、利用者の声を動画に入れるなどすれば、より共感されやすくなります。しかし、方法①でも解説したとおり、スマートフォンユーザーには動画はクリックされにくい面があります。
ですから、トップページでの動画訴求は、全ユーザーに見せるというよりは、より知りたいユーザーが見ると考えて、全ユーザーに見せたい内容は、動画だけに頼らないように工夫する必要があります。
方法③ 商品ページに動画を設置する
Amazonの商品ページにも以下のように動画が設置されております。
◆Amazonの商品ページの動画設置
参考:Amazon
実際の使用感や、具体的な使い方などは、テキスト文章よりも動画の方が適しております。動画をクリックする人の方が検討レベルが高いユーザーと言えますので、商品の魅力が伝わるように意識しましょう。
せっかくの動画なのに、テキストを読めば分かるような内容だけでは購入意欲が高まらないので、動画とテキストの商品説明で役割を明確に分けることが大切です。
◆動画とテキストの役割分担
テキスト ==> スペック、価格、サイズ感
方法④ YouTubeに動画を設置する
もし、LPや商品ページ用に動画を作ったのなら、並行してYouTubeにもアップしてみましょう。ユーザーがもし、あなたの会社をGoogle検索したのなら、YouTubeにもおススメ動画として出てくる可能性がありますので、追客もできます。
また、ライバル商品のYouTubeをチェックしているユーザーがいれば、関連動画であなたの会社の商品がおススメ動画として表示される可能性があるので、チャンネル登録者数が少なかったとしても、まずはYouTubeにアップしておくだけで、ユーザーとのタッチポイントを開設することにつながります。
方法⑤ SNSで動画を公開する
商品動画を作ったのなら、自社のSNSアカウントでも公開しましょう。
◆SNSで動画を公開する
・TikTok
SNSプラットフォームによって動画の形式や大きさに制限がありますので、適宜プラットフォーム先に合わせる必要があります。
単に動画をSNSで公開しても、バズが生まれたり多くのエンゲージメントが発生するものではありませんが、ブランドに興味のある方がアカウントにやってきた際に、過去投稿として動画があれば興味関心を持つユーザーも一定数いるはずです。
動画撮影を外部に発注する!相場は5万円~
動画撮影を外部に発注する場合、相場はおおよそ5~30万円程度です。もし、動画撮影のノウハウがない場合は、外部に発注すべきです。iPhoneなどのカメラスペックが高いスマートフォンと照明を使えば、誰でもある程度の動画を撮ることのできる時代ですが、やはり魅力的な商品動画を撮るためには専門のノウハウが必要となります。
良い動画を外部に委託して撮るためにも、以下の点を自社でしっかり押さえた上で、撮影に臨みましょう。
◆動画を外部に発注する前に自社で押さえておくべきポイント
✓競合他社との差別化のポイント
✓動画のターゲットと目的
✓動画を掲載するプラットフォーム(LP、商品ページ、SNS等)
✓動画に出すべきカットのイメージ
まとめ
ECサイトに動画をどのような形で掲載したとしても、思った以上に再生数は伸びないものです。なぜなら、スマートフォンユーザーがECサイトを見ている時の気持ちは「ブラウジング(文書の閲覧)が前提」であり、動画を見る気持ちになっていなかったり、動画が見られる環境にいない場合があるからです。
しかし、動画ではテキストにはない「臨場感」や「疑似体験」を伝えることができます。また、動画を見るユーザーは、深く検討しているユーザーでもあるので、全員が見なかったとしても、クリックしたユーザーには魅力がより伝わるでしょう。
もし、ECサイトで動画によるプロモーションをお考えであれば、インターファクトリーのebisumart zero(エビスマート ゼロ)をご検討ください。ebisumart zeroなら、外部システムとの連携により、SNS投稿写真・動画を掲載したECサイトを簡単に構築することができます。
その他にも、売上向上のためのさまざまな機能が充実しており、システム連携の柔軟性が高いECプラットフォームですので、詳しくは下記の公式ホームページをぜひご覧ください。