有望なSaaSサービスの代理店になることができれば、自社でゼロからサービス開発をせずに、自社サービスとして販売することで利益を得ることができます。しかもSaaSサービスは月額契約のため、キャッシュフローを積み上げることで、安定した経営状態を作りやすいメリットがあります。
SaaSサービスの代理店を選ぶなら、自社サービスや自社の既存顧客と相性の良いサービスを選ぶべきです。顧客セグメントが合わないと、いざ代理店契約を結んでも、販売しにくい面があるからです。
本日はforUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、SaaSサービスの代理店について解説いたします。
SaaSサービスはおおよそ7種類
まず、SaaSサービスには以下の7種類があります。
②CRM・SFAなどの顧客・営業管理
③ERPなどの基幹システム
④チャット・グループウェア
⑤Web会議・スケジュール管理
⑥マーケティングツール
⑦ECシステム
※代理店を募集しているSaaS企業の一覧は下記からご覧ください。
このように、代理店契約を募集しているのは、BtoC向けではなくBtoB向けのサービスを行っているSaaSサービスとなります。例えば、世界一の営業管理ツールとして有名なセールスフォースには数多くの代理店(再販のパートナー)が存在します。
しかし、上のリンク先を見て分かる通り、セールスフォースの代理店は日本でも有数のIT大手企業が占めており、小規模事業者や実績の少ない企業が代理店になるのは難しい面があります。そういった観点から、比較的広く代理店を募集をしているのは、以下の2つのSaaSサービスです。
・ECシステム
これらのSaaSサービスは、1つの市場に多くの企業が参入しており、また、それぞれのジャンルにGoogleやYahoo!のような圧倒的なシェアを持つ企業が存在しないため、販路の拡大のために、代理店とのパートナーシップを進めている面があります。下のカオスマップをご覧ください。
◆EC業界のカオスマップ
このように、EC業界だけも数多くのSaaSサービスが存在していることが分かります。つまり販売先の顧客に比較検討してもらえる可能性が高くなるのです。そのためSaaSサービスの代理店になるなら、このようにサービス数が多い市場の方が販売しやすい面があります。
BtoB向けSaaSサービスのセグメント層は3種類
では、次にBtoB向けのSaaSサービスのターゲット層について考えます。ターゲット層のセグメントの考え方は売上や従業員数、上場・非上場などさまざまですが、ここでは売上でセグメントを以下の3種類に分けます。
◆販売先企業のセグメント例(売上別)
②小・中規模向け(年商1億円以上)
③スモールビジネス向け(個人事業主向け)
もし、あなたの会社がすでにエンタープライズ企業に対して、営業ルートがあるなら別ですが、そうではないなら「②小・中規模向け(年商1億円以上)」が最も良いと考えます。
まず「①エンタープライズ向け」ですが、受注できれば多くの手数料が期待できますが、キーパーソンに接触するのは大変ですし、何よりエンタープライズは意思決定に非常に時間がかかります。SaaSサービスの導入を決めるために多くの資料の提出やコストシミュレーションなどを求められて、非常に工数がかかるというデメリットがあります。
次に「③スモールビジネス向け」ですが、ビジネスの規模感が大きくはない分、薄利多売のビジネスモデルになるため、多くの企業に導入する営業体制やマーケティングが必要になります。
このような点から考えると、年商が1億円以上の企業は、規模感的には「中間」ですが、キーパーソンさえ押さえることができれば意思決定が早いため、このターゲット層を狙ったSaaSサービスは非常に営業効率が良いのです。
インターファクトリーのECプラットフォーム「ebisumart zero(エビスマートゼロ)」のターゲット層もこの層となりますので、SaaSサービスの代理店を探している担当者は、以下のページからebisumart zeroのパートナープログラムもあわせてご検討ください。
自社の顧客と相性の良いSaaSサービスを選ぶ
例えば、ホームページ制作などを自社で行っている場合、その顧客網を生かしたSaaSサービスを選ぶべきです。それは以下のようなSaaSサービスです。
・Web接客ツール
・SEO計測ツール
このようなSaaSサービスであれば、ホームページやバナーなどのWeb制作を依頼する企業はWebマーケティングや、ECサイトに力を入れており、サービスを導入してくれる可能性が高いからです。すでに信頼のある制作会社なら、新たな代理店事業の話も聞いてくれる場合が多いので、非常に相性が良いでしょう。
しかし、いくら既存顧客と関係性が良い場合でも、
・チャット・グループウェア
・ERPなどの基幹システム
などは、制作会社の強みを生かせないため、SaaSサービス導入への敷居は高くなります。そのため代理店事業を行うのでしたら、まずは、自社と相性の良いSaaSサービスを探してみるべきです。
SaaSサービスが時流に乗っているか?
そして、SaaSサービス選びで非常に重要なのが、その分野のSaaSサービスが時流に乗っているか?という点です。例えば、集客のためのツールは数多くありますが、すでに時流が過ぎたサービスも数多くあります。例えば以下のようなものです。
・ブログプラットフォーム
・CRM
これらのサービスが時代遅れというわけではありません。流行ったのが数年前であり、ピークが過ぎているということです。新たに代理店事業として参入するには、売れにくい面があると言えます。一方で、2022年の現在は以下のようなツールが時流に乗っています。
・ECプラットフォーム
・オンライン決済
Instagram関連は、まだまだ企業にまとまったノウハウや知見がないことと、若者が使っているツールであるため、企業側も注目しております。また、古くからあるECプラットフォームとオンライン決済系ですが、コロナ禍を経て、再度注目を浴び、SaaSサービスとして多くのサービスが開発されているのです。
SaaSサービスとの3つの契約形態
SaaSサービスと契約を結ぶ際は、以下のような形態が一般的です。
②代理店パートナー
③OEMパートナー
まず、「①販売パートナー」は販売を担当しますが、導入後の保守やカスタマーサポートは、SaaSサービス側が担当する方式です。手数料は安くなりますが運営の手間が省けます。
「②代理店パートナー」は、販売から保守・カスタマーサポートまで全てを担当します。手数料が高くなりますが、社内にSaaSサービスのことや業界のことに詳しい担当者をアサインする必要があります。
「③OEMパートナー」は、他社のSaaSサービスの名前を自社で変更して、独自のブランドとして販売することです。SaaSサービス側との信頼関係が必要なのはもちろん、ビジネス領域でも競合となるシーンが出てくるので、事前の取り決めが必要となります。
まとめ
SaaSサービスの代理店を選ぶ際は、自社あるいは自社サービスとシナジー効果を生むことができるSaaSサービスを選ぶと良いでしょう。
SaaSのECプラットフォームの、ebisumart zero(エビスマートゼロ)では、代理店を募集しております。もし興味がある方は、以下のパートナープログラムのページをご覧の上、是非ご連絡ください。