「通販サイトを作る!」
「うちの会社で、通販を実施することになった!」
という担当者は、まず何から手をつけるべきでしょうか?大抵の場合は、自社の店舗で扱っている商品であったり、取引先から商品を卸すなど商品が決まっている場合が多いと思います。しかし、そのような場合でもコンセプトをしっかり決めておかないと、通販サイトで成功することはできません。
なぜなら、通販サイトは全国の人がアクセスすることができる反面、小規模事業者からAmazonや楽天市場などの大型モールまで多数あるため、コンセプトが決まっていないと差別化できずにアクセスがほとんどない通販サイトとなってしまうからです。
本日は、forUSERS株式会社で、マーケティングを担当している筆者が、通販サイトの作り方について5つのステップに分けて解説します。
通販サイトを作るための5つのステップ
通販サイトを作る際は、大きく以下の5つのステップに分かれます。
ステップ② 商品の仕入れ先を探す
ステップ③ カートシステムを選ぶ
ステップ④ SEOを意識したサイト作り
ステップ⑤ 集客施策を行う
それでは一つずつ解説していきます。
ステップ① 通販サイトを作る場合は「コンセプト」が最も大切!その理由は「集客」と関係しているから!
通販サイトをこれから作ろうとする場合、扱う商品やカートシステムの選別も非常に重要ですが、最初にコンセプトを決めるべきです。なぜなら、通販サイトで最も難しい「集客」と密接に関係しているからです。
例えば、靴を扱う通販サイトがあったとしましょう。以下のようなコンセプトの通販サイトに人が集まるでしょうか?
一見、ファッションが好きな女性がたくさん集まるようなコンセプトに見えますが、このようなコンセプトのサイトは全国に多く存在します。また、楽天市場内のネットショップや、Amazon内の商品訴求にも以下のような訴求は無数にあります。
◆よくある靴の通販サイトの訴求
「かわいい」
「女性向け」
「男性向け」
「アウトドア」
「歩きやすい」
このような訴求をいくら組み合わせても、ライバルが多すぎて、自社のECサイトに集客することは非常に困難なのです。
そのため、売れる通販サイトには、独自のコンセプトが必要となります。例えば、
というコンセプトはどうでしょうか?Googleで検索してみましたが、モールサイトのカテゴリページや、比較・ランキングサイトが上位表示されており、女性向けの防水シューズ専門の通販サイトはありませんでした。
◆「靴 女性 防水」の検索結果
インターネットのメリットは日本中の人を対象にできることですから、日本中の女性をターゲットにすることができれば、売上を上げやすくなるので、そのようなコンセプトを考えるべきです。他にも以下のようなコンセプトが考えられます。
◆ECサイトのコンセプト例
女性向け「横幅」が広いサイズの靴専門通販サイト
50代女性向けのドレスシューズの専門通販サイト
このように、ターゲットを絞り込むことで、検索して通販サイトにたどり着く人が増えるのです。
また、以下のようなコンセプトも、大手事業者ではない限り、売れる通販サイトになる可能性は低いです。
◆通販サイトの例
地球とともに生きる!大地のシューズ通販サイト
このようなコンセプトは、ユーザーへの説明がないとコンセプトが伝わりませんので、分かりやすいコンセプトを作ることが大切です。
つまり、通販サイトのコンセプトを作る上で大切なことは以下です。
②分かりづらい抽象的なコンセプトではない
③需要が世の中に一定数ある
この3点を押さえることが、非常に重要となるのです。
ステップ② コンセプトが決まったら、商品の仕入れ先を探す
もし、自社がメーカーでなかったり、特定の取引先がないのなら、商品の仕入れ先が必要です。商品の仕入れは難しいことでありません。中国のアリババグループのAliExpress(アリエクスプレス)ではあらゆる商品を仕入れることができるのです。
◆AliExpress(アリエクスプレス)のサイト
画像引用:AliExpress(アリエクスプレス)
このサイトで扱っていない商品はないというくらいラインナップが豊富なので、審査などが通れば、このサイトから誰でも輸入して、商品を仕入れることができるのです。ただ、いきなり大量に仕入れるのではなく、小ロットでテスト的に仕入れてみて、品質を確かめることをおすすめします。
ステップ③ コンセプトと商品が決まったらカートシステムを選ぼう
カートシステムをいきなり選ぶのは良くありません。なぜなら、カートシステムによって、得意・不得意があるからです。例えば、以下のような商品を扱う時は、その商品の販売が得意なカートシステムが存在するので、そのようなシステムを選ぶべきです。
◆定期販売や頒布会の通販サイトが得意なカートシステム
◆ダウンロード販売が得意な固定費無料のカートシステム
また、商品やコンセプトと関係ありませんが、将来のカスタマイズやシステム連携などを考慮する場合にも、それが得意なカートシステムはあります。
◆将来のカスタマイズやシステム連携を視野に入れたい場合
このように、事前に商品やコンセプト、あるいは将来的な事業計画を考えてからカートシステムを選ぶ必要があるのです。もし、上記のような要件やコンセプトを考慮しない場合は、以下の5つの方法から通販サイトの作り方を選ぶことになります。
◆通販サイトの5つの作り方
このようなECサイトの5つの作り方については、以下の記事をご覧ください。
まず、通販サイトというのは、集客が非常に大変です。そのため通販サイトの経験が豊富な担当者でもない限り、いきなり集客することはできないと考えるべきなので、通販サイトを作ってすぐは利益が出にくい面があります。そのため通販サイトにかかる固定費はなるべく安い方が、通販事業を継続しやすくなります。
そういった面から考えると、無料のASPカートのBASEやSTORES、カラーミーショップは非常に魅力的な選択肢となります。ただし、これらのASPではドメイン名を自由にできなかったり、領収書を発行する機能や送料の設定機能が弱かったりするなど機能が限定的です。
つまり、会社規模が大きくなければ、まずは無料ASPカートシステムを利用して、年商が1億円以上ある企業は有料のASPカートを使ってみるのが良いでしょう。
パッケージは、最初からカスタマイズやシステム連携が前提のシステムで、費用も数百万円以上かかるので、新規事業者にはコストがかかりすぎてしまいます。また、オープンソースはITリテラシーが必要となるので、誰でも利用できるという観点で選ぶと、無料か有料のカートシステムを使うのが現実的な選択肢となるはずです。
ステップ④ 通販サイトを作るのはカンタンでも、通販サイトに集客をするのが難しい!
先ほど紹介した、通販サイトのカートシステムを利用すれば、カンタンにサイトを作ることができます。しかし、通販サイトを立ち上げても、有名ブランドではない限り、最初から買い物をしてくれる人はほとんどいません。なぜなら、誰もサイト名で検索したり、直接サイトに訪れたりはしないからです。
ここで重要になってくるのが「コンセプト」です。もし、
であれば、特別なSEO施策やSNS施策を実施しなくても、Googleで検索してたどり着いてきてくれる人がいるはずです。そのためにはラインナップ数が非常に重要です。例えば商品が5種類しかなければ、Googleも「防水の靴の専門サイト」とは認めてくれませんが、100~1000種類を扱う専門通販サイトであれば、自然と検索順位も上がるでしょう。
さらに、今のSEOにはE-A-Tと呼ばれる要素が非常に大切です。E-A-Tは以下の頭文字をとったものです。
・権威性(Authoritativeness)
・信頼性(Trustworthiness)
つまり、Googleは「専門性」「権威性」「信頼性」の3つに重点を置いて、検索順位を決めており、この専門性が担保されていれば、SEOで有利になるのです。
さらに、店舗がある方で、店舗で数年以上ビジネスをされている場合は、Googleもリンクの関係(店舗のホームページから通販サイトにリンクがあるなど)からそれを理解することができます。そのような通販サイトには「権威性」も追加されます。
さらに、大手のカートシステムで通販サイトのデザインを作り込んでいれば「信頼性」もある程度は担保されるため、検索結果で有利となるのです。
つまり、通販サイトは
✓商品の需要が一定数以上ある
✓専門店として商品ラインナップを豊富にする
✓大手のECカートシステムを利用してデザインしている
✓店舗での運営歴がある程度ある
といった条件が整えば、初めて作った通販サイトであっても、数か月後にはGoogleで自然と集客ができるようになるのです。
ステップ⑤ 体制が整ったら、通販サイトへの集客施策を行う
通販サイトの運営は非常に大変です。しかし、体制が整ったのなら、集客施策を行いましょう。広告を利用する方法もありますが、通販サイトで扱う商品単価が高くない場合は、利益が少なくなるので、なるべく予算を使わない施策が良いでしょう。
以下の記事では、アクセス数を増やす施策をまとめています。
また、以下の施策は比較的予算をかけずに行える、効果的な集客方法です。
・SNS施策
これらを実施する方は、以下の記事もご覧ください。
まとめ:通販サイトはコンセプトが重要
今回は5つのステップで通販サイトの作り方を解説しましたが、通販サイトで最も困難なことは「集客」です。やみくもに人が集まることはありませんので、しっかりと集客すべきターゲットを設定し、適切なカートシステムを利用してサイトを作る必要があります。
そのために大事なのは「コンセプト」で、通販サイトのコンセプトを決めることで、扱う商品も決まり、商品ラインナップを充実させて専門性のある通販サイトを作ることができます。そのようなサイトにおいては、Googleも検索結果で優遇してくれるようになるので、まずは、コンセプトをしっかり考えてみることから始めましょう。
コンセプトをしっかりサイトに反映させることができて、さらに集客のためのさまざまな施策に対応した通販サイトを作る際には、インターファクトリーのebisumart zero(エビスマート ゼロ)もご検討ください。将来的なカスタマイズを視野に入れながら、まずは費用を抑えてスモールスタートしたいという事業者にはおすすめのECプラットフォームです。