ネットショップを開業して、数か月が経過した時に、気になるのがアクセス数でしょう。まず、自分のネットショップはアクセス数が多いのか、少ないのか、目安を知りたいのではないでしょうか?
結論から言えば、ネットショップとしてのアクセス数の目安は月間10,000セッション以上となります。なぜなら、1商品が売れるまでには、CVRが1%と考えると100セッションが必要となり、ネットショップとして独立して売上を立てるなら月に100件の注文を目指すべきだからです。
仮に1商品が2,000円と考えた場合、100件の注文で売上は20万円となります。その売上を考えると目安はやはり月間10,000セッション以上となるのです。
本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、ネットショップのアクセス数の目安について解説いたします。
ネットショップのアクセス数の目安は月間10,000セッション以上
冒頭でも書いた通り、目安となるアクセス数は月間10,000セッションです。このアクセス数は小規模事業者のネットショップにとってはカンタンな数字ではありません。アメリカの記事によると、11,000社以上のローカルビジネス(小規模事業者)のGoogle Analyticsの状況を調査した結果によると、月間414回の訪問が平均というデータがあります。
参考:Over 50% of Local Business Websites Receive Less Than 500 Visits Per Month
そして、そのアクセス数の50%以上は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを使った自然検索からのアクセス数となっています。アメリカのデータではありますが、この数字は日本でも大きく変わらないと筆者は考えます。
筆者もさまざまなクライアント企業のアクセス数のデータを見てきましたが、小規模事業者の場合は1,000セッションにも満たないケースがほとんどです。
では、どのように10,000セッションを目指せば良いのでしょうか?
ネットショップの平均単価は2,000~3,000円程度であり、広告を利用するとほとんどの場合、利益が出ません。
つまり、利益を出しながら10,000セッションを目指すには、広告ではなく、SEO対策もしくはSNS施策がもっとも有力な方法となります。
小規模事業者のネットショップが10,000セッションを目指してSEO対策するなら、ブログ開設!
SEO対策とは、Googleの検索結果で上位を目指すことであり、多くの人に自社ネットショップに来訪してもらう施策です。しかし、小規模事業者のネットショップでこれを実行するのは、非常に大変です。
以下をご覧ください。筆者がネットショップに関するキーワードで、検索結果を独自に調査したものです。
◆Googleで「スニーカー」と検索した結果
SEO2位:ABCマート
SEO3位:楽天市場
SEO4位:Amazon
SEO5位:スニーカーダンク
◆Googleで「32型テレビ」と検索した結果
SEO2位:価格.com
SEO3位:楽天市場
SEO4位:ビックカメラ
SEO5位:Amazon
これらを見ると、SEO上位に位置するネットショップは、
・Amazon
・価格.com
・ZOZOTOWN
・ビックカメラ
などのいわゆるショッピングモールや、大手ネットショップであることが分かります。なぜなら、現在のGoogleのアルゴリズムは以下に重点を置いていると言われているからです。
◆SEOで重要な概念
・権威性(Authoritativeness)
・信頼性(Trustworthiness)
これらの頭文字をとってE-A-T(イーエーティー)と言います。先に挙げた楽天市場やAmazonなどは、商品のラインナップ(専門性)、そして誰もがその名前を知っており(権威性)、社会的信用がある(信頼性)ので、EATが高いと言えるのです。
このようにEATが高いショッピングモールや有名ネットショップでなければ、ジャンルを代表するキーワードで(スニーカー、テレビ、パンプス等)検索結果の上位にたどり着かないのです。
また、楽天市場やAmazon、ZOZOTOWN、ビックカメラのいずれも商品数が膨大にあります。ユーザーからみても、多数の商品があるネットショップは魅力的であるため、検索結果で上位になりやすくなります。
しかし、諦める必要はありません。検索キーワードを少し変えてみると、検索結果は変わってきます。
◆Googleで「スニーカー寿命1年」と検索した結果
そうすると、大手ではない靴の会社のブログが1位で表示されます。SEO2位以下もブログが多数表示されています。つまり、このようなお悩みキーワードにおいては、Googleの検索結果で上位なのは、ネットショップではなくブログ記事になります。
つまり「商品名」や「ジャンル名」などのすぐに購買に結び付くキーワードでは、SEO上位は難しくても、購入の手前にある「お悩みキーワード」であれば、小規模事業者のネットショップでも検索結果で上位になれる可能性があります。
ですから、ネットショップの商品ページにキーワードを盛り込んだり、コンテンツを作り込んだりして、SEO上位を目指すのではなく、ブログ記事を作成してGoogleの検索結果で上位を目指すことで、10,000セッションは十分に狙えます。例えば、以下は筆者の趣味のブログですが、アクセス数をご覧ください。広告などは全く使っていない中でのアクセス数です。
◆筆者の趣味のブログのアクセス数は10,000セッション以上(2022年6月)
たった40記事程度ですが、アクセス数は10,000セッションを超えております。つまり、個人でも小規模事業者でも、ブログによるSEOで10,000セッションを目指すことができるのです。
参考:筆者のブログ「東京シュノーケリングブログ」
このブログのようにアクセス数を増やすための具体的なコツは、以下の記事にまとめてあります。筆者の実際のノウハウそのものなので、是非ご覧ください。
また、ネットショップ初心者でも、アクセス数を増やすテクニックを下記の記事で紹介しておりますので、あわせてご覧ください。Googleの無料の広告枠に出稿できる方法も解説しております。
SNSのフォロワーを10,000人以上に増やす
ネットショップの業種と関連性の高いアカウントでフォロワーが10,000人いれば、投稿を続けることで、ネットショップへのアクセス数も増やすことができます。しかし、フォロワーを増やすことは、ネットショップのアクセス数を増やすのと同じくらい難易度が高いことです。
まず、SNSにはさまざまな種類があります。
◆SNSの一覧
Instagram(インスタグラム)
Twitter(ツイッター)
TikTok(ティックトック )
Facebook(フェイスブック)
YouTube(ユーチューブ)
どのSNSのアカウントを開設すべきかですが、ネットショップのターゲットにもよります。ネットショップのターゲット層が10代~20代前半であれば、TikTokやInstagram、30代以上であればTwitterやFacebookの利用率が高くなっています。このようにターゲット層からSNSの種類を決める方法があります。
◆【令和2年度】主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率
画像引用:総務省「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(令和3年8月)」
LINEやYouTubeは全世代で利用されていますが、LINEはSNSというより、連絡ツールという面が強く、YouTubeの投稿は動画編集のノウハウが必要となります。まずは、InstagramやTikTok、Twitter、Facebookを検討してみましょう。
また、ネットショップの業種でSNSを選ぶ方法もあります。アパレルや家具インテリア、雑貨などのいわゆるインスタ映えしやすい分野は、Instagramが良いですし、徹底的にテキストで商品の紹介を行うなら60,000文字まで投稿が可能なFacebookを使うと、商品の魅力を伝えることができます。
◆ヨドバシカメラのFacebook投稿
このように、業種から最適なSNSを探す方法もあります。ただ、いずれの方法においても、フォロワーを増やす工夫が必要です。
SNSアカウントのフォロワーの増やし方
SNSだからといって、最初からバズを狙うような奇をてらったものや、あるいは炎上マーケティングは避けるべきです。まず、以下のポイントを押さえてください。
◆SNS初心者が押さえておくべきポイント
・お役立ち情報を配信する
・自社の宣伝ばかりのアカウントにしない
・同じジャンルで成功しているアカウントを参考にする
SNSの広告を利用すればカンタンにフォロワーを増やすことができるので、初速をつけるために、数千人の規模になるまでは広告を使うことも検討してみてください。数万円の予算でも、上手くいけば1,000人以上のフォロワーを増やすことが可能です。
ただし、SNSアカウントを作って、いきなり広告を利用しても効果は出にくくなるので、最初にお役立ち情報を20投稿程度行ってから、広告を実施しましょう。以下にネットショップでのSNSの運用法をまとめているので、あわせてご覧ください。
まとめ
アクセス数の目安は10,000セッションですが、カンタンに届く数字ではありません。しかし、もし10,000セッションに達することができれば、そこから2~5倍、あるいは10倍と増やしていくのは難しい話ではありません。
もし、自社ブランドに知名度があり、最初から10,000セッション以上の規模のネットショップを作る場合は、弊社のプラットフォーム「ebisumart zero(エビスマートゼロ)」をご検討ください。多機能でありながら、将来のカスタマイズやシステム連携などの準備ができるプラットフォームです。
詳しくは下記のebisumart zeroの公式サイトをご覧ください。