失敗談から考える「EC事業を立ち上げる」5つのポイント

EC事業をこれから立ち上げるときに、どのような体制を作り、どんな準備をしていけば良いのでしょうか?

筆者は、10年前に英会話教材のECサイト立ち上げで大失敗をした経験があります。その経験をもとにECサイトの立ち上げに必要な5つのポイントを解説しますので、これからECサイトの立ち上げに携わる方は最後までご一読ください。

それでは、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、EC事業の立ち上げについて実体験をもとに解説します。

英会話教材のEC事業の立ち上げに失敗した筆者の体験談

まず、EC事業の立ち上げにおいて、筆者には大失敗した体験があるので、それを伝えたいと思います。筆者はおよそ10年前に大手英会話スクールに所属し、一時期、新規事業としてECサイトの担当者となったことがあります。

筆者が担当したECは、買収した海外の教材会社が扱っていた商品を、日本で展開するためのものでした。しかし、ECの商品である英語教材を見たとき、筆者は使い方が分かりにくいと感じ、不安を覚えました

この教材は、比較的英語力が高い地域にある会社の商品であるため、中上級者向けの内容となっていました。しかし、英語を勉強する日本人ユーザーのほとんどは初心者であり、この教材のコンセプトとは合っていませんでした

商品力が弱いと感じたため、会社のブランド名をつけて販売しました。筆者自身も「本当に売れるのだろうか」と不安に思いながらもECを立ち上げて販売しましたが、有名企業であったにもかかわらず、月に10件の注文も入らないようなECサイトになってしまったのです

このことから、これからECサイトを立ち上げる方に伝えたいのは、ECサイトで最も大切なのは商品力だということです。商品力さえ高ければ、マーケティングやCRM活動にそこまで注力しなくても売上を上げることができるのです。まずは販売する商品やコンセプトについて徹底的に磨きをかけるべきでしょう。

EC事業を立ち上げるための5つのポイント

それでは、筆者の経験を踏まえて、ECサイトを立ち上げるための5つのポイントを解説します。

ポイント① その商品は本当にECサイトで売るべき商品なのかを考える

例えば、新規事業の開始に伴って自社の商品を販売するなど、ユーザー目線ではなく、企業目線でECを立ち上げるケースも多いでしょう。

しかし、誰もが知る世界的ECであるAmazonも、自社のPB商品の販売戦略において「ユーザーが本当に求めているものが何か」を見誤った結果、思うような売上を上げることができませんでした。

参考:ジェフ・ベゾスが激怒した「アマゾンのPB戦略」、大失敗で撤退か、それとも存続か?(ビジネス+IT)

まず、ECサイトを立ち上げる際は、企業の事情からではなく、ターゲットユーザーが本当に求めている商品なのかという目線で開発すべきです。商品力が高ければ、宣伝や集客のコストを抑えることができます。

当たり前のことと思うかもしれませんが、まずは「ユーザー目線」で商品を考えてみましょう。予算があれば市場調査を行ったり、予算がない場合は、身の回りで自社のターゲットと関係性の深いユーザーに商品を見せて、意見や感想を聞いたりして、商品についての議論を始めてみてください。

ポイント② コンサルや業者頼みではなく、当事者意識を持つこと

大手企業などの予算がある会社であれば、担当者が自分で仕事を実施するよりも、業者やコンサルに依頼することが多くなります。それ自体は悪いことではありませんが、大きなデメリットとして当事者意識が希薄になりやすくなります

ECサイトに限りませんが、成功のために最も重要なことは、どれだけ当事者意識を持って仕事ができるか、という点です。当事者意識を持つことで、その姿勢は業者やコンサルにも伝わり、「一緒にこの仕事を成功させよう!」という好循環につながるでしょう。

新しい事業を成功させるには「熱意」が絶対に必要です。その熱意を生むためには「ECサイトを成功させるのは、絶対に自分だ!」という強い意識が必要なのです。

ポイント③ 最初は既存ユーザーに対して商品をアピールする

いきなり新規ユーザー向けにECの商品を販売するよりも、まずは既存ユーザーに対して販売すべきでしょう。筆者が販売した英語教材は、「英会話スクールに通う既存ユーザーが、単価の安い教材に流れてしまっては困る」という理由で、立ち上げ当時は既存ユーザーに全くアピールせずに販売されました。

ホームページでの露出も、既存ユーザーの目に留まらないよう目立たないところに配置するなど、顧客の奪い合いにならないようにすることを念頭に置いたプロモーションを行った結果、誰にも買ってもらえないECサイトになってしまいました。

これは後日談ですが、市場調査の結果、ECで販売していた教材は、英語力が高い既存ユーザーのニーズがあったことが分かりました。つまり結果論ですが、最初から英会話スクールに通う既存ユーザーに向けて販売していれば、ここまで大きな失敗にはならなかったのです

ECサイトやオンライン販売が一般的になってきたとはいえ、店舗での販売がメインの場合は、利益の奪い合いを気にしてECサイトでの販売に舵を切ることができないケースもあるでしょう。しかし、ECサイトでの販売が軌道に乗ってからECの販売戦略を見直すことはできるので、最初から露出に制限をかけるべきではないと考えます。

ポイント④ ECカートシステムに業務フローを合わせて運用する

自社独自の業務フローにこだわるあまりに、ECシステムをゼロからフルスクラッチで作ることはおすすめしません。まだ売上が上がるか分からないECサイトでは、費用対効果に見合うか判断できないためです。

筆者が勧める方法は、月額費用が数万円~のECカートシステムを利用してECサイトをテスト的にオープンさせ、1年後に課題を把握した上で、本格的にECサイトの開発を始める方法です

これを実現させるには、自社の業務フローにシステムを合わせるのではなく、業務フローをECカートシステムに合わせる必要があります。大企業であっても、立ち上げたばかりのECサイトであれば注文は最初から多いわけではないので、まずはECカートシステムを利用しても問題ないでしょう

また、昨今のECカートシステムは、テンプレートを使って簡単に本格的なデザインのECサイトを作ることができるので、月額費用が安いECカートシステムだからといって、ECサイトのデザインに不安を持つ必要はありません。

ポイント⑤ 小さく早く始めること

ECサイトを始める際は、大人数の社員を集めて大がかりなプロジェクトにするのではなく、少人数で早く始めることが重要です。特に大企業などで関与する人数が多くなると、議論の時間ばかりが多くなって、プロジェクトの進行が遅くなってしまうケースが見られます。

EC担当者を任命したのなら、その担当者に権限と責任を与えて、まずはECサイトをリリースしてしまうことが重要です。ECサイトの集客やマーケティングなど、売上に関することやバックエンド業務の効率化など、全て運営しながら考えていく姿勢で十分です。

なぜなら大手企業であっても、最初から商品が売れることはほぼないので、ECサイトを開設してから改善していけば良いのです

まとめ

本日は、筆者のEC事業の立ち上げ失敗談をもとに「EC事業立ち上げのポイント」を解説しました。世の中には、成功事例ばかりではなく、失敗事例から学ぶことも多いはずです。ぜひ当記事の内容を参考にして、あなたのEC事業を成功させてください。

そして、これからEC事業を立ち上げるなら、インターファクトリーのECサイト構築ツール「ebisumart zero(エビスマート ゼロ)」もご検討ください。将来的なカスタマイズや規模の拡大も可能なため、まずは費用を抑えてスモールスタートし、事業の成長とともにECサイトも成長させていきたいという事業者には、非常におすすめのECプラットフォームです。

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