ギフト商品を扱うネットショップに必要な7つの機能を解説

ネットショップでギフトを扱いたい場合、どのような機能が必要になるでしょうか。

ギフトを扱うネットショップに必要な機能は以下の7つです。

① 複数配送先管理機能
② 送料設定
③ アドレス登録機能
④ ラッピング選択機能
⑤ 熨斗(のし)機能
⑥ 名入れ登録機能
⑦ 目的別ナビゲーション

しかし、ギフト機能をネットショップに実装するだけでは不十分です。なぜならギフトネットショップは、頻繁に購入されるものではなく、また、のしやラッピングなどのマナーも重要な要素となるため、ユーザーがスムーズに注文できるようにすることが重要だからです。

本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、ネットショップでギフト販売する際に必要な機能について解説します。

ギフト販売を実施している事例

まず、あなたのネットショップでギフト販売の実施を検討しているのであれば、ギフト販売を成功させている大手のネットショップを参考にしましょう。小規模事業者でも、必ず参考にできる点があるからです。

下記は、大手老舗百貨店「高島屋」のオンラインストアです。

◆高島屋オンラインストアのトップページ

高島屋_TOP

引用(画像):高島屋オンラインストア

ご覧のように、トップページでは「母の日」「ホワイトデー」「こどもの日」また、それ以外にも卒入学用のギフトなど、さまざまなイベントのギフトバナーをキービジュアルで見せております。百貨店にとって、いかにギフト販売のニーズがあるかが分かります。

また、下記は同じく高島屋のギフト専用ページです。

◆高島屋オンラインストアのギフト・プレゼントページ

高島屋_ギフトページ

引用(画像):高島屋のギフト│高島屋オンラインストア

このように「おすすめの商品特集」のほか、予算やお礼・お返し・お祝いのシーン、またカテゴリから商品を検索できるようになっており、ギフトだけでも検索性を高めたページ作りになっております。

それでは、ギフト販売を行うネットショップに必要な機能を一つずつ解説します。

ギフト販売に必要な7つの機能

ギフト販売に必要な代表的機能は以下の7つです。

機能① 複数配送先管理機能

ギフトの場合、例えば一人のユーザーが多くの親戚や友人にギフトを送付することが考えられます。そのため、下記のように複数配送先を管理する機能が重要になります。

◆ゼクシィ内祝いの複数配送先管理機能

ゼクシイ_アドレス管理

引用(画像):ゼクシィ内祝い

「配送先を何人分用意すべきか?」という点ですが、ここでの答えは「可能な限り多く設置すべき」です。なぜならギフトのネットショップで、多くの配送先に商品を送付するユーザーは「超優良顧客」です。そのような顧客に配送先の入力欄が少ないと感じさせてしまうことは、サイトから離脱することにつながってしまいかねません。そのような超優良顧客を逃すのは、中長期的にネットショップの売上を逃す可能性があります。

つまり、UI(ユーザーインターフェース)で可能な限り多くの配送先を設定できるようにするのが正解となります。

機能② 送料設定

複数人に配送先を設定する時は、送料もそれだけかかりますので、配送人数とそれぞれの配送先に応じた送料を算出します。また、ギフトは高価な商品が多いため「5,000円以上は送料無料」などの設定もネットショップのギフト機能には必要となります。

また、店舗のある事業者は、店舗受取機能を設けることで、送料を無料にすることができます。ユーザーの中にも、手渡ししたいという需要があるので、その際は手渡し用の袋の有無をネットショップで選択できるようにすべきでしょう。

機能③ アドレス登録機能

この機能は、単に便利なだけでなくマーケティング施策においても重要な機能です。

通常、ユーザーは送り先の住所を手帳やスマホのメモを見ながら入力しますが、ネットショップのアドレス帳に一度登録してもらえば、次回利用の際に再度入力する手間が省けるため、リピート利用されやすいからです。

ただし、アドレス帳に入力された個人情報は、あくまでも商品を届けるために利用するのであり、マーケティング施策を行うことは、個人情報を利用する同意を得ていないのでNGです。

機能④ ラッピング選択機能

ギフトにおいては、ラッピングの内容を選択できる機能は非常に大切です。もし良いギフト商品を設置することができても、ラッピングに納得がいかないと、ユーザーが離脱する原因ともなります

選択機能を導入する際にはラッピングの見本写真を掲載します。ネットショップによっては用紙の柄の画像を掲載している場合もありますが、可能であれば下記のように実際のラッピング見本の写真を掲載する方が、完成品のイメージがしやすいのでおすすめです。

◆小田急百貨店オンラインショッピングのラッピング選択画面

小田急百貨店_ラッピング選択

引用(画像):小田急百貨店オンラインショッピング

機能⑤ のし(熨斗)機能

お中元やお歳暮、出産祝いには「のし」をつけます。必要な機能については、まず、表書きを選択できるようにしなくてはなりません。

◆表書きの種類

・お中元
・お歳暮
・結婚祝い(あるいは内祝い)
・出産祝い
・長寿祝い
・病気見舞い

また、熨斗には「外熨斗」「内熨斗」、つまりラッピングの外に熨斗をつけるのか、あるいは内祝いなど控えめにラッピングの内側に熨斗をつけるのか、などを選択する画面が必要です。ユーザーの中には、熨斗をどのようにすればいいのかなど、贈答物のマナーに不安があるユーザーも多いので、熨斗のルールを伝えるコンテンツや、用途による熨斗の例を掲載すると良いでしょう。

機能⑥ 名入れ登録機能

例えば、出産祝いでケーキやカステラといった商品に、お子さんの名前を入れることができる場合、名入れ機能を使って、名前を登録することができるようにするとよいでしょう。

大手のギフトショップでは、ネットショップ上に名入れ登録をすると、実際の商品(ケーキ、カステラ等)にどのように印刷されるか、イメージ画像をネットショップ上で実際に確認できる機能もあり、このような確認機能があるとユーザーも安心して注文ができるので、CVR向上の施策としても有効です。

機能⑦ 目的別ナビゲーション

ギフトは目的や相手によって、ラッピングから表書き、商品と選択内容が変わります。そのため、商品のカテゴリごとに選択させるだけではなく、目的別にナビゲーションを設置することも重要です。

◆大丸松坂屋オンラインストアの目的別ナビゲーション

大丸松坂屋_目的別ナビ

引用(画像):大丸松坂屋オンラインストア

このように目的別ナビゲーションがあることで、ユーザーが迷うことが少なくなり、離脱率を下げてCVRを向上させることができるのです。

ギフト専門のネットショップで重要な3つのポイント

ここまで、ネットショップのギフト機能について解説しました。では次に、ギフト専門のネットショップとして、どのようなポイントを押さえればよいのかを具体的に解説します。

ポイント① 世界観の演出や独自性を追求してコンセプトを作ろう

まず、ギフト系のネットショップでは、百貨店系のネットショップが非常に人気があります。ギフトは、高価なものや相手に喜ばれるものを送りたいという需要に対して、百貨店ではギフト商品のラインナップを充実させてきた歴史と実績があります

そのため、ギフトをネットショップで扱う場合は、世界観を演出したり、独自性を追求して「コンセプト」を作る必要があります。そうしなければ、新規ユーザーがあなたのネットショップでギフトを買う理由が見付からないからです。世界観や独自性をカンタンに演出する方法の一つは何かに特化することです。

◆特化の例

・ママ専用の内祝い専門サイト
・長寿祝い専門のサイト
・結婚祝い専門のサイト

これだけ特化した事業者でも多くが参入しておりますが、そこにもう一つ「長所」を加えます。

◆長所を加える

・配送が早い
・ラッピングにこだわっている

このように、「特化 × 長所」を掛け合わせることで、唯一のコンセプトとなるのです。そしてコンセプトを作ったら、それをファーストビジュアルでインパクトがあるように訴えます

以下は、ゼクシィ内祝いのトップページですが、ご覧のように、カタログギフトの表紙をオリジナルの写真で作成できるという魅力的なサービスを実施していることが、一目で分かります。

◆ゼクシィ内祝いのトップページ

ゼクシイ内祝い_TOP

引用(画像):ゼクシィ内祝い

こうすることで、初めて訪れたユーザーが「このネットショップで購入する理由」を見付けることができ、売上が伸びるギフトショップとなります。

ポイント② ナビゲーションを分かりやすく

ギフト専門ネットショップは、アパレルや雑貨などの繰り返し購入されやすい通常のネットショップと違い、たまにしか利用されません。その上、通常よりも購入完了までに必要な入力・選択項目が多いため、熨斗やマナー、ラッピングに関しての知識に不安のあるユーザーは、購入までのナビゲーションが分かりにくいと離脱しやすくなります

ユーザーの中には、「自分でこだわって商品やラッピングを選びたい」というニーズもあれば、「スタンダードなもので十分」というニーズもあります。そのため目的別ナビゲーションを設けて、注文までスムーズに実施できるようにする必要があります。

例えば、内祝いの場合は、内熨斗がデフォルトで選択されていたり、あるいは「内祝い用ラッピング」など用途を限定するとユーザーが迷いにくくなります。

ポイント③ スマホファーストで設計する

ネットショップの作り手はPCですが、ギフトネットショップを利用するユーザーの8割以上はスマートフォンユーザーです。そのため、画面や入力フォームなど、すべてスマートフォンでもスムーズに注文できるかを何度もテストするべきです。特に文言などは、文字が小さくて読みづらければ意味がありませんので、読みやすさも重要な要素です。

まとめ

ネットショップにギフト機能を実装すること自体は難しいことではありませんが、ギフト専門のネットショップは売上を伸ばす工夫にポイントがあります。商品や仕入れにこだわるのと同様に、ネットショップにもスムーズに注文できる導線や、「お祝い感」のある世界観の演出にこだわってみましょう。

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