ネットショップ立ち上げ時に、カートシステムに付属している「クーポン機能」を使うにしても、どのように使うべきか思案していないでしょうか?
明確な目的を持って使えば、クーポン機能を効果的に使うことができます。
本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、リピート購入を促すための5つのクーポンの使い方を解説します。
①「初回購入」特典として、クーポンを利用する!
単に商品を割引するためのクーポンの使い方は、どのネットショップでもやっているでしょうし、わざわざ当ブログで解説する理由もありません。自社のネットショップ運営を俯瞰した上で、クーポンを有効に使うべきです。その一つの施策が「初回購入」を促すためのクーポン施策です。
まず、初回購入はネットショップ運営において非常に重要なものです。なぜなら、日本国内においては、ほとんどのユーザーが使い慣れているネットショップやECモールでしか買い物をしません。例えば、以下のようなネットショップです。
・楽天市場
・Yahoo!ショッピング
・ヨドバシ.com
・メルカリ
多くの人が、これらの有名なネットショップで買い物をする中、自社のネットショップに訪れたユーザーに対して、何か買い物をするキッカケを作らなければ、ほとんどの場合、売れないネットショップになってしまいます。何か目玉商品やこのサイトにしかない商品がある場合は別ですが、多くの方がそのような商品は扱っていないはずです。
特別な商品がなくても、購入してもらうキッカケの一つとなるのが「クーポン」なのです。もし、あなたのネットショップに初めて訪れたユーザーが以下のようなバナーを見たとします。
◆上記のクーポンを見た時のユーザーの気持ち
・このネットショップで1回だけ買ってみようかな!
・今ならお得に購入できる!
すべてのユーザーとは言いませんが、数十人に1人はこのような気持ちのユーザーが現れるはずです。そして一度購入したことのあるネットショップであれば、リピートして購入してくれる可能性が生まれるのです。つまり初回購入とはECサイト運営にとって、最も重要なことの一つと言えます。
ですから、クーポン費用をマーケティング費用と割り切って、多くの初回購入ユーザーを生み出すのはよくある方法なのです。例えば健康食品の例を見てみましょう。初回購入者に限り、通常よりも安い特別価格で販売したり、あるいはサンプルを無料で送付する方法などがあります。
これらは、全て初回購入を意識した施策なのです(無料サンプルは購入とはいえませんが、顧客情報を取得できているので、初回購入と似た体験になります)。
このことから、初回購入者限定でクーポン施策を実施して、まずは一度、ネットショップで購入してもらうことは非常に重要なのです。
②商品レビューをしてもらい、お礼にクーポンを発行する
初回購入が成功したのなら、もう一度購入してもらうべくクーポンを利用します。しかし、クーポンを発行するだけで、2回目の買い物をしてもらえるものではありません。また、頻繁にクーポンを発行するとコストがかかります。
そこで、商品レビューをしてくれたユーザーに対して、クーポンを発行してみましょう。ネットショップの売上はレビューに大きく左右されます。そのためネットショップ運営者は日ごろから商品レビューを集める工夫をしなくてはなりません。
レビューを収集する施策の一つとして、クーポンを発行するのは非常に有効です。クーポンには期限があるので再度購入を促すことにもつながります。クーポンが有効期限近くになると、メールが自動で送信され、使い忘れを防ぐこともできるからです。
そして、この施策は初回購入者をF2( F2のFはFrequencyのことであり、購入回数を表す。F2は2度目の買い物という意味)に引き上げる、F2転換のための施策ともなり、さらに集まったレビューは、その商品ページに対するSEO施策ともなるため、ネットショップ運営に有利に働く施策なのです。
とはいえ、商品レビューに対するクーポンの割引額は数百円程度で良いでしょう。あまり大きな金額にすると、コストがかかってしまいます。
③何度も買い物してくれる優良顧客に対して限定クーポンを発行する
ネットショップの話ではありませんが、筆者は過去に大手の英会話スクールでWebマーケティングを担当しておりました。その時に、顧客アンケートを実施した結果、優良顧客ほど実は不満も多かったことに気付きました。
そこで、優良顧客限定で無料のレッスンチケットを配布したところ、そのような声がなくなっただけでなく、優良顧客たちがより多くのレッスンを購入してくれることとなり、売上向上につながりました。
これはネットショップにも同じことが言えるはずです。英会話スクールのような高額商材ではないので、そこまで不満はないかもしれませんが、常連客であるにもかかわらず特別感がなければ、ふとしたきっかけで休眠顧客となってしまいます。
そこで、優良顧客を抽出して「特別なお客様限定」というタイトルでメールを配布してクーポンを発行するのが有効でしょう。
④休眠顧客に対してクーポンを発行する!ただし、何かと組み合わせて実施しよう!
特別な施策ではありませんが、休眠顧客に対して、クーポンを発行する方法もあります。ただし、すでに買い物をしなくなっているユーザーなので、優良顧客に戻すことはカンタンではありません。
ですから、単にクーポンを発行するのではなく、以下のようなイベントやメッセージと組み合わせた施策にすべきです。
・以前購入した商品の「その後を伺う」内容のメールを送付する
・「おめでとうございます!」という文言でメールを送付する
大手のネットショップのYahoo!ショッピングも以下のように施策を実施しております。
◆Yahoo!ショッピングのクーポンの例
クーポンを発行するだけではキッカケとして弱いので、このような「強いメッセージ」を添えることで開封率が高まり、ユーザーがそのネットショップを思い出しやすくなるのです。
⑤クレームを受けた時の謝意としてクーポンを使う
ネットショップ運営を続けると、商品に傷がついていたり、発送した商品が届かないなどのトラブルは避けて通れません。そのような時に謝意として、クーポンを使うべきでしょう。トラブルの時こそ、リカバリーをしっかり行うことで、ネットショップを好きになってくれるユーザーも現れるかもしれません。
そのため、トラブルを事前に想定して、クーポンを用意しておきましょう。ただし、悪質なユーザーの中には、クーポン目的で何度もクレームを入れるユーザーがまれにいます。自社に落ち度がないにも関わらず、一方的に理不尽な要求をしてくる悪質なユーザーに対しては、毅然とした対応を取るべきでしょう。
クーポンとポイントのマーケティング上の違いは何か?
クーポンとポイントの大まかな違いは以下の2つです。
・ポイントは貯めることができる※
※ポイントにも有効期限をつけるケースは多数ありますが、ここではその場合を除いてシンプルに解説します
ポイントはクーポンよりもお金に近い性質があり、ポイントはよりコストがかかるものとなります。しかし、マーケティングの観点で言えば、クーポンは期限を設けることができるので、クーポンの期限や条件によって、ユーザーに買い物を促す効果が強いというメリットがあります。
そのため、ユーザーとしてはポイントの方がメリットが多いかもしれませんが、運営側では、ポイントよりも、期限があるクーポンの方が短期的施策として適しているのです。また、コストコントロールもしやすいのがクーポンのメリットとなります。
まとめ
ECカートにはクーポン機能は必須ですが、はっきりした目的を持った使い方をされていないことも多いものです。是非、この記事をきっかけにクーポンを有効に使って、ネットショップを盛り上げていきましょう。
もし、これからネットショップを始める方は、機能が豊富で将来の拡張やシステム連携も可能な、インターファクトリーのebisumart zero(エビスマート ゼロ)をご検討ください。クーポンやポイント機能も豊富です。詳しくは下記の公式ホームページをご覧ください。